消えたホテルと、記憶の旋律
──Saint Levant
──Saint Levant
【INTODUSK NEWS】
017
ライターのWADAです。
今回ご紹介するのは、
複雑なルーツを音楽に繋げる、唯一無二の表現者──
Saint Levant/セイント・ルヴァン
パレスチナ生まれ、フランス育ち。
アラビア語・英語・フランス語を自在に織り交ぜながら、音楽と詩、そしてファッションで“自分自身”を語っていく。
2024年リリースのアルバム『DEIRA』は、かつてガザにあった父が建てたホテルの名にちなんだもの。すでに破壊されてしまったその場所への追悼と、故郷への愛が込められた作品。収録曲「On This Land」では、パレスチナの非公式国歌「Mawtini」の旋律で始まり、彼のルーツへの深い敬意をにじませる。伝統舞踊ダブケのリズムを取り入れた「DALOONA」では、失われゆく文化への祝福と継承が鳴り響く。個の記憶と民族としてのメッセージ。
代表曲「Very Few Friends」は、TikTokでバイラル化をきっかけにブレイク。Spotifyでは月間リスナー数400万人を超え、『COACHELLA 2024』への出演でも話題に。ルーツやアイデンティティの象徴として、”ただのポップスター”ではなく語るべき視点を持つアーティストとして評価されている。
正直、そこまでアラビア語の音楽に対して特別な思い入れはなかった。けれど映像とともに耳を傾けると──その音色は神秘的で、妖艶で、どこか魅惑的。中東に抱いていた先入観を覆してくれる。
筆者にとっても、見聞を広げてくれる出会いとなった
Fabulous, don't U?
INTODUSK.COM
カートは現在空です。
ショッピングを開始する